【着信アリFinal】はホラーじゃなくてパニックとして見るべし【ネタバレ感想】
着信アリもシリーズ3作目で、ついにファイナルを迎えました。人気があるシリーズでも、作品を追うごとに作風が変っていく事は往々にあります。ターミネーターも3で駄作、ガンダムもZZは言わずもがな、そして着信アリもご覧の有様でした……
その原因は、着信アリは1と2はホラー映画していましたが、3はホラーというよりも、パニック映画の要素が強いです。世間ではこれは酷いと評判ですが、パニック映画としてみれば、中盤までは面白いので、そこまでこき下ろさなくてもと擁護したくなります。
たしかに後半は、何故か『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』と、同じ展開があり興ざめする部分もあるし、物語の展開もどうかと思う部分もありました。
ファイナルなのにゼンゼン完結しなかった、着信アリFinalを視聴した感想と、ラストシーンの考察をしていきます。本記事は内容的にネタバレ注意ですので、大丈夫な人だけ読み進めて下さいませ。
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概要
予告編動画
2006年の日本映画、1作目が2004年ですから、だいたい毎年一本のペースで公開されています。
1から2も監督が変りましたが、本作でも監督は変わります。麻生学という映画やテレビドラマの監督をされている人が、着信アリFinalを担当しました。
キャストは、堀北真希、黒木メイサ、チャン・グンソク、板尾創路などなど
あらすじ
高校の鳥かごから鶏を逃がす松田明日香(堀北真希)、その後ろにはイジメを苦に首吊り自殺をした女子生徒パムの姿がありました……
幸いパムは警備員にすぐに発見されたので一命を取り留めました。
そんな事件があたのですが、草間えみり(黒木メイサ)や他のクラスメイト達はのん気に韓国へと修学旅行に出かけました。えみりは修学旅行に来なかった明日香が気になるようです。
船内で生徒たちが、怪談話で盛り上がっていました。そんな中、楠木あずさの携帯電話に、あの着信します。
未来の自分から着信と、自分の首吊りの画像が送られてきました。翌日、あずさは予告された時間に首を吊られて死にました。この事件をキッカケに、死の予告電話の着信を受けた生徒たちは次々に死亡していきます。
みんなパムの呪いだと恐れ始め、楽しいはずの修学旅行は大パニックに……
着信アリFinalの感想レビュー
今までのシリーズでは、死の予告電話は転送できませんでした。ですが、本作では新たに「転送スレバ死ナナイ」という条件が追加されのは、新鮮な気持ちで視聴できて良かったです。転送ができる回数は一度だけで、再転送はできないという制約を加えたのも斬新でした。
転送する事により、死の運命を他人に押し付け、自分は逃げられるのは良いのですが、転送された相手は、たまったもんじゃないです。
誰に転送するのか?とか、死の予告電話を着信した携帯電話自体を奪おうとする展開など、利己的な人間の醜さが存分に描かれていました😀
修学旅行がパニックになっていく過程や、木部先生のゲスっぷりが最高で、その辺は面白かったです。
後半の美々子が巣くっているパソコンに大量のメールを受信させて、美々子の動きを遅延させるシーンは超展開すぎて、ビックリしました。何でこうなったんでしょうか?監督か脚本の人がデジモンが大好きだったのでしょうか?
緊迫したシーンでの出来事だったので、思わず画面にツッコミました……
全体的にご都合主義な展開が目立ちますが、ハリウッドのパニック映画などは、もっとあり得ない展開をする人間が出てくるので、細かい事はまあいいです。
心を広くして見たら、若い頃の堀北真希の最高に可愛い姿が眩しかったですね。久しぶりに見て、堀北真希の唯一無二の美しさを再確認できました。もう一人のヒロインである黒木メイサは、気が強い顔の女が好きな人にはグッとくるのは、なんとなく分かります。
良かった点
- 転送という新要素が加わった
- 人間の醜さを描いている
- パニック物としは面白い
- 殺し方のバリエーションが豊富
悪かった点
- 2の時の台湾もそうでしたが、何故に韓国なのか?
- シリーズ中で一番ガバガバ設定のご都合主義な展開が目立つ(あんだけ人が死んでも修学旅行が続くとか)
印象に残ったシーン
友香が呪いの電話を着信すると、周りの友達たちが
「マジでうちらに送んないでよ、うちら友達でしょ」と迫りますが
「だったら、私の変りに死んでくれる?」
こう返されるとしどろもどろになる、女子高生たちの上っ面だけの友情を描いたシーンが良かったです。
彼女たちの中にはなっから友情など存在していなかったのが、よく分かります。
この「うちら友達でしょ」的な発言は、現実世界でも、まあまあメンドクサイ奴が使ってくる傾向にあります。
ラストシーンの考察
明日香とえみりの友情パワー、そして世界中の皆から送られてきた大量のメールにより(元気玉じゃないよ)、美々子が巣くっていたパソコンは破壊されて成仏したと思わしながらも、アン・ジヌ(チャン・グンソク)が自分に転送していて死んでしまう……
美々子の呪いはまだまだ続くんだぜ!そんな終わり方でした。
幽霊が念写して呪いのビデオテープを作った、電波塔から死の予告電話を飛ばしている。この辺りまでは許容範囲ですが、そもそもなんで怨霊がパソコンの中にいるのかが謎でした。
霊体がパソコン内にいる理由がサッパリワヤですが、脳の動きも突き詰めると0と1の電子の行き来きになるので、科学的にはあり得るのかもしれません。この理論が通るのなら、その延長線上にあるのは、女神転生の悪魔召喚プログラムになります。あれもパソコンのプログラム上で魔方陣を作り、悪魔の召喚がどったらなので、似た理論になるでしょう。
話がそれましたが、後半にはパソコン内の明日香とえみりは、電脳世界内に構築された学校に捕らえられます。
電脳世界で美々子とやり取りしている間に、現実の世界にいたアン・ジヌが、えみりに着信した死の予告電話を、こっそりと自分に転送していました。それが原因で、パソコン内から帰還した後に、アン・ジヌは死亡します。
結局、アン・ジヌが死んだ後、赤い飴玉が出てきていることから、美々子の呪いは続いている事が分かります。あのデジモンメール作戦は、ただたんに美々子が巣くっていたパソコンを破壊しただけで、倒したり成仏させたわけじゃなかったのです。
そして生存した明日香とえみりは、最後は約束通り二人で海を見に行ってます。この時、えみりは車椅子に乗り、精神を崩壊させているように見受けられます。
Zガンダムのカミーユのようなことがあるのか?そんなにアン・ジヌの事が好きだったのか?疑問は残りますが目の前で人が死ぬのを見たら、精神的にまいるのもムリはないので、致しかたないでしょう。
ここまでが一般的な考察になりますが、僕の個人的な見解100%では、じつは美々子はあのパソコンと共に成仏しているのではないかと考えています。
美々子の死の予告電話が、遠隔操作型のスタンドのような働きをして、本人がいなくても予告の時間になると、勝手に発動してしまいアン・ジヌを殺したのではないでしょうか。
アン・ジヌはかつて恋人を救えなかった自分の恐怖心に打ち、今度は自分に転送しています。そして、アン・ジヌは美々子の最後の犠牲者になったのです。
その後に、生き残った明日香とえみり、二人の友情は復活した事を示唆して終わった。
美々子の呪いは終わったけど、その代償は余りにも大きかった……
ハッピーエンドまではいませんが、プチハッピーエンド。そんなエンディングを、副題を3ではなくFinalと付けているあたりから、想像してしまいます。
続編の可能性は?
今のところないです。
2008年に『One Missed Call』という、ハリウッドで着信アリ1をリメイクした映画が作られています。
リー・リィは成仏してなく、どうとでもやりようはありそうなので、気長に待ちましょう。
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こんな人にオススメ
- 堀北真希か黒木メイサのファン
- パニック映画好き
- 着信アリのシリーズが好き
ネットでは酷いと揶揄されるには、その理由があり、万人にオススメはできませんが、死霊の盆踊りに比べたら、ぜんぜん面白い映画なので、ヒマな人は一度見てみては如何でしょう。
小説版もあります
着信アリFinalですが、秋元康が執筆した小説がありました。
Amazonのkindle対応で、ちょっと試し読みしてみると、原作とはだいぶん違った話でした。これはコレで面白うそうなので、興味がある方は要チェックです!
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