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着信アリのネタバレ感想とラストシーンを考察してみた【ガバガバ設定でも面白い】

 着信アリのネタバレ感想とラストシーンを考察してみた【ガバガバ設定でも面白い】



着信アリはガラケー全盛期時代に撮影されたジャパニーズホラー映画です。1998年に『リング』のヒット以降、日本では軽いホラー映画ブームがあって、着信アリもそんなブームの中から産まれた映画の一つでした。


ただ着信アリは、その他の有象無象の後追い映画たちとは違い、ガラケーという日常ツールを使うことにより、より身近に恐怖を感じられて、頭一つ飛び出た面白さがあります。


あの独特の着メロがなると、かかってくる死の予告電話は、見る物を登場人物たちと同じく、恐怖の世界に連れて行ってくれます。


今回はそんな着信アリの感想を述べながら、ラストシーンの考察をしてきます。とうぜんネタバレ注意な内容ですので、読んでも良い人だけ読み進めて下さい。


概要

予告編動画


2004年公開の邦画、監督は三池崇史。同監督の作品では悪の教典や藁の楯などが好きです。クローズのようなヤンキー物や、本作のようなホラーまで幅広いジャンルの映画を製作している大御所です。


キャストは柴咲コウ、堤真一、吹石一恵、永田杏奈などなど


あらすじ

主人公の中村由美(柴咲コウ)は、友人である岡崎陽子(永田杏奈)といる時、彼女の携帯電話がなり始める。それは本人が設定した着メロではなく、発信者は自分、発信時間は未来からという奇妙なものでした。


不審に思い留守電を聞いてみると、そこには自分の死ぬ瞬間の音声が入ってました。きっと誰かのいたずらだと思いましたが、実際にその時刻になると、陽子は留守電のメッセージ通りのセリフを言い死亡します。


その後、陽子の友人の河合ケンジも、死の予告電話の着信を受け、由美の目の前で死亡し、次々と友人たちが死亡していきます……


着信アリの感想レビュー

リングはストーリーは面白いんですが、ホラーシーンは少なかったです。『呪怨』はホラーシーンは多かったですが、ストーリー部分はあっさりでした。


後発の着信アリは、そんな両者の良い所を合わせています。呪いの電話が発信される謎に迫りながらも、テンポよく人が死んでいくホラー描写を盛りこみ、視聴者を飽きさせないように作られています。


ただ、ストーリー部分は後半は難解な部分があり、ラストのシーンの意味も初見では分かりにくく、見る人によって解釈が変わってくるでしょう。


良かった点

  • ホラーシーンが豊富でシチュエーションもバリエーションい富んでいる
  • 未来の時刻からかかってくる一種の預言めいた死の予告電話の設定は秀逸
  • 着メロの哀愁のあるメロディーが頭に残る


悪かった点

  • 後半のストーリーが難解で初見では分からなかった
  • 序盤に女子高生に「自分の番号を着信拒否すれば、死の予告電話はかかってこない」と教えてもらったのに、設定しないのはアホかと
  • 廃病院に一人で行くとかアホかと
  • 映画でストーリーは一応完結しているが、秋元康お得意のメディアミックス戦略で、続編や小説を見ないと、謎を補完できない。これはバンナムやディケイドと同じ完全版商法のやり口で卑怯じゃないか

印象に残ったシーン

その1:テレビ局での公開除霊シーンを生中継するところ

着信を受けた小西なつみ(吹石一恵)は、着信アリの怨霊に対して、テレビの企画で霊媒師を呼び除霊を試みます。


その時間に、本当に人が死ぬのか?着信がアルのか?を生中継する。現在ならコンプライアンスで一発アウトな悪趣味な企画ですね。


番組で呼んだのがインチキ霊媒師で、こいつがクソの役にも立たないんですよ。じゃあ、何のために意味深な顔で、プロデューサー・藤枝(松重豊)は、テレビ局に連れて来たんだよと思いました。


まあ、そんなん調子だから、なつみは、殺害事故になると、パニックになり、逃げだしますが、ポキポキに折り曲げられて「きびしー」のポーズで、殺されてしまいます。この一連の流れが最高でした。


その2:ドアの覗き穴を見ると、いきなり千枚通しのような細長い針金を差し込まれるシーン

いやいや、マジでこのシーン怖すぎませんか?実際にはそんなことをするサイコパス野郎は皆無でしょうが、可能性はゼロじゃないんですよね。なので、もしもの事を考えてしまいます。


由美ほどではないですが、穴を覗くのが怖くなり、暫くはトラウマになりました。


美々子の能力を考察

美々子の最大の能力は、殺害時の時刻と状況を着信させて殺す能力です。着信相手は適当にかけているわけではなく。殺した相手の携帯電話に登録されている相手から選んでいます。


最初に殺したのは、喘息の発作をムシして出て行った母親で、母親が浴槽の中でガラケーを握りしめていました。母親の携帯のメモリーから始まり、ドンドン数珠つなぎで殺していきます。


1だけならそう思うのですが、2を視聴した後だとリー・リィの台湾ルートからの着信アリだと分かります。この時に美々子がリー・リィと共鳴して能力が目覚めたようです。


死の予告電話ですが着信さえさせてしまえば、その相手は必ず殺せます。由美も助かったと思いきや、ラスト間際で、時計の針が巻き戻り、殺害時刻に殺しにきます。美々子には時を巻き戻す能力もあり、何でもありです。


そんな怨霊の美々子の能力をまとめると

  • 呪殺
  • サイコキネシス
  • 未来予知
  • 共鳴した相手に憑りつく
  • 変身
  • 時間を巻き戻す
  • 飴玉の具現化能力

などがあり、ほぼ無敵です。


ラストシーンの意味は

美々子と精神が共鳴した由美は、山下を刺した後、廃病院に運びこみます。そして意識が戻った山下に口移しで飴玉を与えて、後ろでナイフを隠し持ち微笑みかけています。


この展開、初見時は、サッパリ意味不明でした…


続編の着信アリ2で分かるのですが、ラストシーンの後、由美は山下をナイフで殺害して、行方をくらまし、死体で発見されました。


僕の個人的な見解ですが、由美がすぐに殺されなかった理由は、マリエの魂を解放したからではなく、美々子と共鳴して精神をのっとられてしまっていてるからです。由美の鏡に映る後ろ姿が美々子なので、その部分から推測できます。


幼少期に虐待をされていた由美、そしてこっそりと妹を虐待をしていた美々子、両者の間には虐待をする者とされる者で、魂が共鳴しやすい状態だったのでしょう。その辺りのバックボーンは物語中でサラっと流していたので、分かりにくいかったです。


しかし、美々子は由美を使って何がしたいんでしょうかね?かかわった人間を全員殺しただけなのか?その謎は2つ後の続編『着信アリ FINAL』まで持ち越しますが、全く解明されませんでした。


シリーズ作品を知ろう

着信アリは『着信アリ2』と『着信アリFinal』の2作が、続編映画として作られました。


着信アリ2の解説↓

【着信アリ2】は名作ではないが駄作でもなかった【ネタバレ感想】


着信アリFinalの解説↓

【着信アリFinal】はホラーじゃなくてパニックとして見るべし【ネタバレ感想】


ハリウッドで『One Missed Call』としてリメイクされました。

菊川怜が主演で、同名タイトルのテレビドラマもあります。


小説版もあり


完全版商法と揶揄されましたが、秋元康が描いた小説版の『着信アリ』があります。映画の内容を踏襲しながら、より細かな部分まで描かれているので、興味のある方は、kindleで試し読みしてみても良いでしょう↓

着信アリ (角川文庫) Kindle版をチェック


こんな人にオススメ

  • 柴咲コウのファン
  • ジャパニーズホラーが好き
  • 吹石一恵の死ぬシーンが見たい

2000年代を代表するJホラー映画の一つなので、ホラー好きは要チェックです。


着信アリを視聴するには

今回、僕は着信アリをアベマTVで視聴しました。放送後一定期間内なら無料で見られますし、もしかしたらテレビでも放送されるカモです。


そんないつ放映されるか分からないのを気長に待てない人は、ABEMAプライムやAmazonプライムなどで配信されているので、今すぐに視聴できます。


ABEMAプライムは会員なら無料ですぐに見られます。プライム会員は、初登録なら14日間無料で他の作品も視聴できるので超お得です。

 
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