【着信アリ2】は名作ではないが駄作でもなかった【ネタバレ感想】
大ヒットしたホラー映画『着信アリ』の2作目です。今回は日本から飛び立し台湾で、美々子の呪いの元になったリー・リィという少女の謎に迫ります。全ての物語の呪いの元凶になった少女のルーツを辿ることにより、物語に深みを出そうとしました。
完全に蛇足な話で、僕は『着信アリFinal』の方が、続編としては、シックリきました。まあ、でも、一つのホラー映画としてみたらそこそこ面白いので、ホラー好きの人は見てもいいかと思います。
今回は、そんな着信アリ2を視聴した感想と、ラストシーンや数々の謎を考察してみました。内容的にストーリーがモロバレになる箇所もあるので、激しくネタバレ注意です!
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概要
予告編動画
2005年に公開された日本映画。
前作の着信アリから、およそ1年ほどで公開されています。
監督は三池崇史から塚本連平に代わりました。塚本連平はテレビドラマの監督を中心に活動している人で、『イグアナの娘』『時効警察(脚本)』など、ヒットドラマを多数てがけています。
キャストはミムラ、瀬戸朝香、吉沢悠、ピーター・ホー、などなど
あらすじ
前作の出来事から1年後が舞台で、世間では着信アリの呪いで死ぬ事件が、いまだ続いていました…
しかし、その死の予告電話ですが、口の中に飴ではなく、胃の中に少量の石炭が入っている。また、着信した本人以外が電話にでると、代わりにその人が死にます。今までの着信から死のパターンと少し状況が変わってきました。
事件を追っていた女性ジャーナリストの野添孝子(瀬戸朝香)と、呪いの電話の謎を追っていた本宮刑事(石橋蓮司)は、その変化に気づきました。
保育士の奥寺杏子(ミムラ)も、保育園の同僚まどか(智順)が、死の予告電話を受けたために死亡してしまい、ドンドンと一連の事件に巻き込まれていきます…
着信アリ2の感想レビュー
孝子と杏子の2人を、物語の主軸に置いた事で、ただでさえヤヤコシイ話が、後半さらにややこしくなります。
メインの登場人物である二人の名前に、両方とも子を付けるのは、悪手でしょう。「恵」とか「美」とか、空想の人物だから名前なんてどうとでもなるっしょ。似た名前だと見ているオッサンは混同しますね。
ラスト近くで、陳雨亭を殺した真犯人が分かる展開はビックリしました。ですが、その後、たいした説明もなく、飴をポイして終わるのは、テレビ版のエヴァ並みの暴挙だと思いました。
肝心のリー・リィの呪いが、この後どうなったのかの説明もありませんし、風呂敷を広げるだけ広げて終わった印象ですね。
この終わり方にムカついて、着信アリFinalも見たのですが、その後のリー・リィの動向については触れられませんでした…
ちなみに着信アリFinalも後半は、めちゃくちゃな超展開をしてくれます…
1もそうでしたが設定がガバガバなのが、着信アリシリーズの様式美なのかも知れません…
重箱の隅をつつくような小言をブツブツ言ってますが、総評としては、ホラー映画としてはそれなりに楽しめましたよ。
良かった点
- 美々子ではなく元凶にいるリー・リィという存在が判明した
- 前作の謎もある程度は解けた
- 孝子が美々子の電話を受信してからの一連の流れはよくできている
- 引きずりヒキコさんのようなシーンがある
悪かった点
- 後半ストーリーの説明不足感
- ダブル主演と2つの呪いがあるからややこしい
- 孝子の死体は炭鉱の中にあるはずなのに普通にウロウロしているのかは謎…
- 舞台を台湾まで広げたのは何故だ?
- 炭鉱内の井戸のシーンはリングへのオマージュなんでしょうか…
- ミムラは街で生き残る方法を知ってそうな女子高生と出会ったのに、その方法を聞かないのはアホかと
残った謎のFAQ
多分視聴した人が疑問に思うだろう謎について、考察できる範囲でしてみました。
Q1:リー・リィはどうなったの?
全くの謎で、こっちが聞きたいくらいです。
尚人を引きずりヒキコで連れ去った後に、殺害している事から、満たされて成仏したとは考えにくくです。炭鉱の横の電波塔から死の予告電波を飛ばして、今でも怨霊として活躍しているでしょう。
Q2:美々子はどうなったの?
日本で元気に死の予告電話を継続中で、続編へと続きます。
Q3:孝子の死体は炭鉱にあるのになぜ陳雨亭を殺せたのか?
陳雨亭を殺したのは孝子に化けた美々子です。
孝子が殺したように思いますが、撮影したビデオテープの映像をよく見ると、途中で美々子が一瞬写ります。その後の足元のカットは、はっきりと白い靴下を履いた少女が移っていて、美々子だと分かります。
陳雨亭を殺害したナイフは、美々子が愛用しているナイフで、炭鉱の中で孝子を刺殺したのもこのタイプのナイフです。
Q4:孝子はすでに死んでるのに杏子の病院で普通に話しているんだけど…
病院で杏子を慰めていた孝子は、孝子本人の幽霊(ゴースト)です。
何故か美々子と共鳴したら死んだ後も、肉体を持っていて普通に動けるようです。1の由美(柴咲コウ)もラストでは共鳴した後ですが、普通に動いてましたしね…
着信アリの世界では、質量をもった幽体が動けると考えれば、辻褄はあいます。
Q5:リー・リィと美々子の繋がりは?
美々子の叔父はチャン・ウェイで台湾人になります。チャン・ウェイはリー・リィに殺されたので、携帯電話のアドレスから美々子に予告電話が行ったのでしょう。
ただ当時の時代背景を考えると、団地に住む少女が携帯を持っていたとは考えにくいので、1で母親の死体が握りしめていた、携帯電話に着信したのではないでしょうか。
もしかしたら、リー・リィから母親の携帯かかってきた死の予告電話を美々子が受けて、そのため、共鳴して呪いの力に目覚めたのかしれません。
Q6:除霊できないの?
ホラー映画のお約束でできません。
ただ、あんなに強い呪力を持つ怨霊がいるなら、逆に生まれつき高い除霊能力を持った人もいそうですが、一切でてきません。
Q7:孝子の妹を殺したのは
リー・リィです。
孝子の幼少期には、美々子は産まれてないです。
リー・リィが炭鉱の横の電波塔から、無差別に電波を飛ばして鳴らしていたのを、たまたま公衆電話でキャッチしたのでしょう。
ラストシーンの意味は
着信アリ2は、1以上に難解で意味不明なラストシーンでした。
自分が既に美々子に殺されているのに気付いた孝子は、本当に死んだのか確認するために、口に手を持っていき飴を確認したのでしょう。
1でも最後、美々子と共鳴した由美(柴咲コウ)は、口移しで飴を山下(堤真一)に与えていました。
美々子に殺された人間は、口の中から飴が出てきます。二人ともこの時点で既に死んでいたから、口内から飴が出てきたのですね。最後に微笑んでいたのも、1へのオマージュで共鳴の示唆ですね。
こんな人にオススメ
- ミムラと瀬戸朝香のファン
- 着信アリの世界観が好き
- ジャパニーズホラーが好き
炭鉱シーン辺りからの展開がややこしいので、駄作と評価する人もいます。ちゃんと謎が分かった上で視聴すれば、ホラー映画としてまあまあ楽しめる映画だと思います。
シリーズ作品の関連ページ
前作:着信アリ↓
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次作:着信アリFinalの解説↓
【着信アリFinal】はホラーじゃなくてパニックとして見るべし【ネタバレ感想】
小説版もある
映画版を元にして書かれているので、大まかな流れは同じですが、細部が違います。1同様に完全版商法の疑いもありますが、冒頭から由美が出ていてるので、シリーズファンは読んでいて面白い内容になってますよ。
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