あらすじ
子供を授かることのできないホラーク夫妻。夫のカレルは、森で赤ん坊のような形をした木の根を見つけ、妻のボジェナに手渡します。ボジェナはその木の根を「オティーク」と名付け、実の子のように溺愛。オティークは驚異的な速さで成長し、その食欲は異常なほどに旺盛。やがて、飼い猫、郵便配達人…と、エスカレートしていき…
概要
監督・脚本・原案・美術: ヤン・シュヴァンクマイエル
出演: ヴェロニカ・ジルコヴァ、ヤン・ハルトゥル、ヤロスラヴァ・クレチュメロバー、パヴェル・ノヴィー、クリスティーナ・アダムコヴァ
公開年月日: 2001年11月3日(日本)
原題: Otesánek
製作国: チェコ、イギリス
上映時間: 132分
ネットの声
良かった点
「シュヴァンクマイエル監督の唯一無二の世界観。悪夢のようでありながら、どこか懐かしいような…」
「実写とクレイアニメーションの見事な融合。特にオティークの造形は、不気味さと可愛らしさが同居していて忘れられない」
「チェコの民話を現代に蘇らせた手腕は見事。単なるホラーではなく、人間の欲望、親の愛情、孤独といった普遍的なテーマを深く掘り下げている」
「子役のクリスティーナ・アダムコヴァの演技が素晴らしい。無垢な少女が、次第に狂気に染まっていく様子は圧巻」
「食事シーンは、グロテスクでありながら、どこか滑稽。人間の業の深さを感じさせる」
「寓話的なストーリーは、様々な解釈が可能。観るたびに新しい発見がある」
悪かった点
「グロテスクな描写が多く、生理的に受け付けない人もいると思う。特に、オティークが人間を食べるシーンは…」
「ストーリーが難解で、万人向けではない。シュヴァンクマイエル監督の作品に慣れていないと、置いてけぼりを食らうかも」
「全体的に暗く、救いのない展開が続く。後味が悪いと感じる人もいるだろう」
「登場人物の行動が、常軌を逸している。共感できるキャラクターがいない」
「テンポが遅く、上映時間が長く感じる。もう少しコンパクトにまとめた方が良かったのでは」
Q&A
Q: 「オテサーネク」とはどういう意味ですか?
A: チェコ語で「食いしん坊」「木のこぶ」という意味です。チェコの民話に登場する、際限なく食べ続ける木の怪物の名前で、日本語で言うところの「大食い太郎」といったところでしょうか。
Q: 映画は原作に忠実ですか?
A: 映画は、カレル・ヤロミール・エルベンの民話「オテサーネク」をベースにしていますが、舞台を現代の集合住宅に置き換え、シュヴァンクマイエル監督独自の解釈とアレンジが加えられています。原作では、オテサーネクは老婆によって退治されますが、映画では…
Q: 映画のテーマは何ですか?
A: 親の子に対する過剰な愛情、際限のない人間の欲望、自然と人間との関係、そして現代社会における孤独…様々なテーマが複雑に絡み合っています。シュヴァンクマイエル監督は、インタビューで「この映画は、人間の本能と、それがもたらす悲劇を描いたものだ」と語っています。
Q: 映画評論家の意見は?
A: 映画評論家の間でも、評価は大きく分かれています。「シュヴァンクマイエル監督の最高傑作」「悪夢のような映像美」「人間の本質をえぐり出す傑作」と絶賛する声がある一方で、「グロテスクなだけの駄作」「不快でしかない」「自己満足の押し付け」といった批判的な意見も少なくありません。
視聴方法
現在、『オテサーネク』はHulu、U-NEXTで配信中です。また、Apple TV+、Amazon Prime Videoでレンタル・購入が可能です。
2025年2月14日21時からは2週間限定で、Prime Videoの「シネフィルWOWOW プラス」公式YouTubeチャンネルにて無料公開されました。
個人的な感想
いやー、これはまた、とんでもないモンを観ちまったなぁ~というのが正直な感想です。まず、あの切り株のオティークの不気味さ。最初はね、赤ちゃん風にも見えるからちょっと可愛いかなー、なんて思う瞬間もあるんですよ。
でも、だんだん成長するにつれて、もうゾッとします。「ゆるキャラ」の対極にある存在「キツキャラ」に見事成長します。
本作の魅力というか味わい深いのが食事シーンで強烈です。もうね、食べ方が汚いとか、そういうレベルじゃない。人間の業、欲望みたいなもんが、あのモグモグ、くちゃくちゃいう音に凝縮されてる気がしますわ。逆に食欲をなくす「逆グルメ映画」です。
でもね、この映画、ただ不気味な要素を詰め合わせただけの作品じゃないんです。なんかね、人間の滑稽さとか、哀しさみたいな諸行無常なモノを感じさせるてくれます。
まとめ
映画『オテサーネク』は、チェコの鬼才ヤン・シュヴァンクマイエル監督が、民話を基に描いたダークファンタジーです。
独特の世界観、映像表現、そして強烈なキャラクターたちが織りなす物語は、観る者に強烈な印象を残します。好き嫌いは分かれると思いますが、一度観たら忘れられない、そんな映画であることは間違いありません。
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