【ゴーストバスターズ】破壊神ゴーザとは何だったのか?正体を考察してみた
本記事はゴーストバスターズのネタバレを含みますので、大丈夫な方だけ読み進めて下さい。
1984年に公開されたホラーコメディ映画『ゴーストバスターズ』は、現在も大人気で最近は新作の『ゴーストバスターズ/アフターライフ』も公開されました。
久しぶりに1作目を視聴したのですが、ヤッパリ何度見ても面白い名作でした。そんな本作を視聴していると、ふっとラスボスとして登場する破壊の神ゴーザって何者なんだ?と疑問になりました。
気になったのでネットで調べたのですが、有力な情報は有りませんでした。調べて行くうちにゴーザと、ヒンドゥー教の破壊神シヴァとに奇妙な共通点が多いのを発見しました。そこから、さらに調べると、その正体はブラフマーではないかと結論付けました。今回はその結論に至った経緯を紹介しながら、ゴーザの正体について考察していきます。
ゴーザのルーツ
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— ゴーストバスターズ 公式 (@Ghostbusters_JP) February 4, 2022
🚫第13回🚫
💥破壊の神ゴーザ
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このゴーストはヤバすぎます。#ゴーストバスターズ pic.twitter.com/BGS9WqRXOg
劇中では紀元前6000年頃にヒッタイトとメソポタミアにて、ゴーゼリアの王にして破壊の神。そして時を旅する者として崇拝されていました。
だだ実際の歴史上にゴーザと言う名の神様はいません。
紀元前6000年頃は後期新石器時代で、メソポタミア周辺ではハッスーナ文化という、石器時代よりは進化した、簡単な文明の走り程度の暮らしをしていました。
最古の文字については諸説ありますが、この時代にも簡単な楔文字くらいはあったと推測されるので、何か似たようなお話が語り継がれてもおかしくないでしょう。
ゴーザはフンババ説?
メソポタミアで発達して、ゴーザのいた時代に近いのがシュメール文明です。シュメール文明には、人類最古の物語のギルガメッシュ叙事詩がありました。このお話は諸説ありますが、紀元前3~2600年頃のものだとされています。
ギルガメッシュに討伐されたモンスターに大地の巨人フンババがいます。このモンスターは敵としてFF6やモンストにも登場しているので、割と知っている人もいるでしょう。
ゴーザは劇中ではマシュマロマンになりましたが、過去にはナメクジや口から火を吐くイボガエルの姿で暴れまわった記憶もあります。
なので、ギルガメッシュの時代の誰かがフンババのような巨大な怪物の姿を想像してもおかしくないです。サイズ的にもマシュマロマンくらいありそうなので丁度いいし。
ああ~、これはゴーザの正体はフンババでキマリだろ!そう思い調べましたが、ギルガメッシュのお話の中には門や鍵の神の話は一切ありませんでした。
これは、どうもにも違うなと思いもう少し調べてみます…
門の神から考えた
メソポタミアから離れ、変身能力を持つ神を調べたのですが、ゼウスやオーディンを代表に、世界中に多数存在して、この線から考えるのはムリそうでした。
なので、逆にゴーザの子分だった門の神ズールと鍵の神ビンツから考えてみました。鍵の神様は日本に鍵守神社があるくらいで、世界的にはいません。
門の神様で調べてみると、門神がいました。門神はお寺の入口なんかにある、像や絵になり、ルーツが仏教で四天王なんかも含まれます。日本人にも馴染みの深い例を上げると、浅草の浅草寺「阿吽の呼吸」でお馴染みの仁王像が門神として有名です。
仁王は確かに門の神で、中に祀られている御神体を守る存在なので、これは門の神ズールにだいぶんイメージに近い存在です。そして仁王と同じ役割をするのが、寺院や神社の入口を守っている狛犬です。
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— ゴーストバスターズ 公式 (@Ghostbusters_JP) February 4, 2022
🚫第9回🚫
👻テラー・ドッグ
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普通に猛獣ですよね…💥#梶裕貴 さんによる
<ここ観てポイント💡>4⃣も✍#ゴーストバスターズ pic.twitter.com/AsV5viisZS
ゴーストバスターズの劇中にでてくる、門と鍵の神はテラードックは犬型です!この2神はゴーザ寺院を守る狛犬をイメージして作られたので間違いないでしょう。
しかし、祀られているゴーザの正体が大日如来や釈迦なのかと問われると、かなりかけ離れた存在で違和感を感じます…
仏教がルーツなのか?
大日如来ではなく仏教の破壊神と言うと不動明王で、ルーツを辿っていくとインドのヒンドゥー教のシヴァ神になります。
シヴァは妻のパールヴァティーと合体してアルダナーリーシュヴァラと言う、両性具有の存在になれます。
これはゴーザの姿が男女どちらにもなれるのと重なり、劇中ではデビッドボーイ風の姿と一致します。
また、シヴァはブラフマーから産まれた、ヴィシュヌやクリシュナたち三位一体の同一神との見方もあります。ヴィシュヌは変身が得意で、過去にナメクジやイボガエルに変身できたゴーザの得意技とも合致します。
ブラフマーは創造神であり、宇宙を体現する意志です。全ての者の根源で内にシヴァたちの三神を宿しているともされます。破壊や変身、そして永劫の時を超えた異次元に存在する。これらの条件を全て満たしているのです。ゴーザの正体のルーツはブラフマーだったと仮説を立てました。
建物についての考察
そう仮説を立てたのですが、劇中のマンションが狛犬つきのブラフマーを祀った寺院なのかと言うと、ここはちょっと違う気がします。
建築家でオカルティストのイヴォ・シャンドールが、ゴーザを呼び全てを滅ぼそうとして、あのマンションを立てました。その結果、霊的な磁場が増幅され、彼の目論見通りゴーザが復活したわけです。
太古の神を呼び出そうとした、変態建築家!この部分だけみると、なんともクトゥルフ神話チックです。クトゥルフ神話には門にして鍵、定まった形を持たず、時空を超越した場所に存在するヨグ=ソトースという神様がいます。
じゃあ、ゴーザはブラフマーじゃなくて、ヨグ=ソトースで決まりです!そう言いたいのですが、結論は違いました。
結論は和洋折衷
今までの考察から、ゴーザの正体はブラフマー的な存在をベースに、ヨグ=ソトースとか色々な神話をごちゃまぜにして想像された、和洋折衷な神様だと言えます。世界中の神様の欲張りセット。まさにゴーストたちの親分として、ラスボスに君臨するにふさわしい存在です。
本当の所は、監督に聞かないと分かりませんが、かなりバックボーンの設定を練って作ったのだと推測され、その拘りが作品を魅力的にして、ゴーストバスターズは現代でも愛される映画の一つ要因になっていると言えます。
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