【リング2】は完全な蛇足なのか?感想レビューとラストシーンの考察
久しぶりにリング2を見たのですが、前回視聴時と同じく僕の感想はやっぱり今一つでした。
これは前作リングのシナリオの出来栄えが秀逸過ぎたせいもあると思います。1が良すぎると2のハードルはダダ上がりしますからね。
リングにはちゃんとした続編の「らせん」がありますが、それを一旦なかったことにして、わざわざパラレルワールド的な話で、もう一回続編を作ったのがリング2です。
正直「らせん」も映画は微妙で、小説の方が抜群に面白かったです。
リング2の当時のキャッチコピーは
貞子は生きていた!?
事件から1週間・・・
リングの恐怖は、始まりにすぎなかった。
これは絶対にビビれるホラーだと勝手に期待しました。
そんな鳴り物入りで公開された、リング2を見た感想と、ラストシーンの考察をしてみます。
ネタバレ注意なので、未視聴の方はお気を付けください。
簡単なあらすじ
井戸で死んでいた貞子の遺骨は警視庁に運ばれます。貞子は30年前に死んでいたはずなのに、検死の結果1.2年前まで生きていたことが判明します。
死亡した高山竜司(真田広之)の恋人だった高野舞(中谷美紀)は、浅川玲子(松嶋菜々子)の同僚だったADの岡崎(柳ユーレイ)と共に、呪いのビデオの謎に迫ります。
呪いのビデオの謎に加えて
- 貞子の遺骨を巡るお話
- 高校生の沢口香苗(深田恭子)が所有する呪いのビデオ
- 浅川玲子の息子、陽一の超能力
この3つのお話が、ストーリにザッピング的に絡みつつ進行していきます。
概要
前作のリングが公開されたのが1998年1月で、リング2はほぼ1年後の1999年1月に公開されました。ちなみにこの年のホラー映画は、ブレアウィッチプロジェクトとか富江なども公開されています。
リング2の同時上映は死国でした。この頃からハリウッドよりもジャパニーズホラーの方が人気が出てくる時期に入ります。
そんな中、公開されたリング2ですが、シナリオの内容はリングを見ている事は視聴条件に含まれており、本作を見ただけでは意味不明の映画です。
シナリオ重視なのは良いのですが、前作からの登場人物している、玲子(松嶋菜々子)はまだ分かります。ですが、玲子の姪でリングの冒頭で死んだ男女グループの一人大石智子の、死ぬ瞬間を見たために、現在は精神病院に入院中の倉橋雅美(佐藤仁美)とか言われると微妙です。リングにも出てきてそうですが、お前は誰だ?となります。設定資料を見ていないと、初見では登場人物の関係性が分かりにくいです。
続編なので、登場人物が増えたり関係性が複雑になるのは仕方ないのですが、この辺りはスッキリとしてくれた方が、見る側としては分かりやすかった思います。今回、記事を書くにあたり、色々と登場人物の設定とかを調べたので、やっとリング2のストーリに納得いきました。
リング2は、関係性が分かった上で、起こっていく不思議な事件が、貞子の呪いが続いているものなのか?貞子の呪いが世の中に与えた影響で、どのような世界になっていくのか?その辺りが、楽しむポイントだったと推測しています。
きっとプロットの段階では、怖くて面白かったかもしれませんが、映像にするとなんか消化不良で上手く伝えきれてなかったのが残念です。
良かった&悪かったポイント
そんなリング2の良い所は
- 中谷美紀がかわいい
- 深田恭子もかわいい
- ストーリーをちゃんと理解したらそれなりに面白い
- 旅館の鏡のシーンは怖い
- 貞子が井戸の水に浮かび上がってきた瞬間はゾッとする
ダメポイントは
- 貞子のラストのセリフが聞こえづらい
- 話を広げ過ぎて分かりずらい
- 登場人物の関係性が分かりずらい
- 恐怖シーンが小出しで微妙
- 貞子は前作の方が怖かった
だと感じました(100%個人の主観です)
ラストシーンの考察
#水の日
— 幻覚@蛇プニョ (@genkakuheavy) July 31, 2021
『リング2』(1999) pic.twitter.com/OBmoOxpSNV
この井戸&プールから脱出した後から、最後のシーンにかけては説明不足が多いですよね。
まず気になるのが貞子の最後の言葉「どうしてあなただけ助かるの?」
わざわざボルタリングして追いかけてきてまで恨み節を言う事は、貞子の魂は救済されず、いまだ井戸の中で囚われていると分かります。
という事は貞子は救われず、呪いは続いていくことを示唆しています。
その証拠に岡崎の机の中には、沢口香苗(深田恭子)からもらった呪いのビデオテープがあり、同僚たちによって引き出しを開けられ発見されるでしょう(カギを開ける直前で終わっています)。この他にも、沢口香苗たちの女子高生グループが回し見ているであろう呪いのビデオも存在するはずです。
なので、今後もドンドン貞子の呪い広がり続けていきます。
続いてのシーンでは沢口香苗に呪われた、岡崎が精神病院にいます。
そこに入ってきた看護婦が岡崎をポラロイドカメラで撮ると、浮かびあがった写真をみて絶叫しています。
ここは映画リングのオリジナル設定のリングウィルスによって死ぬものは顔が歪んで写るを採用したのか、ラストシーンで岡崎の後ろに浮かぶ沢口香苗の怨霊が写っているのかはわかりません。
これが分かればラストシーンの意味合いがだいぶん変ってきますが、たぶん歪んでいると推測しています。
ビデオを最後までみた沢口香苗は、貞子に呪い殺されています。陽一がビデオを視聴したことで超能力が強まったように、沢口香苗も何らかの力が授かり怨霊となったのでしょう。
リングウィルスに感染すると、人によっては貞子のような力が得られるのならば、沢口香苗のビデオをチェエクしていたシーンで顔の映像がおかしくなった事も納得です。沢口香苗はやがて岡崎を呪い殺すでしょう。
こうしてドンドン世界に呪いのビデオは広がっていき、貞子の呪いが生み出したリングウィルスが溢れかえった世界になってしまいます。
らせんを一回なかったことにして、パラレルワールドとして作られた続編なのに、こちらの世界線でも時間が経つと、らせんの続編「ループ」のように、世界が閉塞していってしまいます。
二つの違う作品を作ったのに、結局ループの世界に続いていくなんて因果なもので、いかに貞子の呪いが強いかを感じます。
こんな人にオススメ
ぶっちゃけ見なくても良いカモな作品ですが、こんな人にはオススメします。
- 中谷美紀の大ファン
- 貞子が出てたら何でもいい
- ホラー映画ならなんでも良い人
- 暇な人
- 佐藤仁美ファンという希少種
散々こき下ろしていますが、貞子の生まれの不幸や、周りの人の救われない感じはリングシリーズと言えます。小説版のリングが好な人なら、まあまあ楽しめるカモしれないので完全な蛇足とは言い切れないです。
動的なホラーが見たい人はリング2よりも貞子3Dとか貞子vs伽椰子の方がオススメです。
リングファンで続編が気になる人は、小説版「らせん」「ループ」がオススメです。ただしホラー小説というよりもSFの要素が強くなってきますので、その点は注意が必要です。
こちらで見れます
リング2は、今回、僕が視聴したABEMAとかAmazonプライムなどで配信されています。
ABEMAはプライム会員なら無料で見れます。運が良かったら無料配信されている時もあります。プライム会員は、初登録なら14日間無料で他の作品も視聴できるので超お得です。
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