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異世界転生してもチート能力主人公になれなかったお話

 異世界転生してもチート能力主人公になれなかったお話


いやいや、こんな事って本当にあるんですね。ビックリしました。

僕、今朝、いつものようにサンドイッチ工場に向かおうと家を出たんですよ。


そしたら、ダンプにドーン!


で、次に気付いたら何か黒づくめの恰好で、荒野に倒れていたんですよ。

このシチュエーションって、どう考えてもよくある異世界転生のパターンですよね。僕もまさか自分が「なのう系」の主人公に本当になれるなんて思っていなかったので戸惑っています。


どんなチート能力を持っているのか自分でもまだわかりませんが、現状の問題は、食べ物や飲み水がない事です。転生したのに飢えや渇きで、またすぐに死んだんじゃ洒落にならないですから……


それにハーレム状態も楽しんでみたいじゃないですか、なんせ僕、前世では童貞のでしたから。きっとこの世界では、僕の精子がレベルアップできる貴重なアイテムで、世界中の美人に襲われるとかあるはずなんです。そう考えだしたらワクテカが止まりません。


ここでウダウダ考えても仕方ないので、取りあえずはオアシスと痴女を求めて、荒野へと出発するとします。

暫く歩くと、日頃の運動不足のせいか、炎天下の太陽に焼かれたせいか、すぐに力尽きて行き倒れてしまいました。


う~ん。わが生涯、一寸の充実なし……


こんなしまらない言葉じゃ、名言にもならないぞ。くそ……この世界では復上死してやると決めていたのに……


そう思っていると


「あ、行き倒れだよ!」

「仕方ない助けてやるか」


近くを偶然通りかかった旅の戦士たちに、水を分けてもらい何とか一命を取り留めました。


「本当に、ありがとうございます」


助けられたのには感謝しながらも、戦士たちは男性ばかりで女性がいない事に少しガッカリしました……


でも、彼等から情報を聞き出せば、この世界の事が色々と分かるかも知れません。

そう思いそれとなく、この世界の成り立ちなどについて、訪ねてみました。

彼等は寡黙な連中でしたが、こちらの質問には快く答えてくれました。

その情報を纏めると、なんとこの国には、女性と呼べる存在は女王しかいないそうです。


どこかに他の国があるかも知れないが、探索の旅に出て帰って来たものはいない。

戦士たちは己の領土をパトロールしながら、同時に何か食料になりそうな物を探している最中でした。


この話を聞いた僕の選択肢は2つです。


1.女王に謁見してセックスできるチャンスをうかがう

2.他の国を探して旅にでる


もちろん僕の答えは決まっていました。どこにあるかも分からない国を探して、また野垂れ死にするリスクを負うくらいなら、確実に女性のいる場所に向うほうが賢明です。


そうと決まれば話は早い、戦士たちに女王の居場所を聞き、その場所を目指しました。

この世界では、女王がいるのは地下ダンジョンの奥深くの玄室で、そこまでたどり着けたのなら、僕のような一般人でも気軽に女王に会う事ができます。


しかし、出会った女王はバカでかく、僕の3倍程は身長がありました。八尺様やドミトレスク夫人さえも小さく感じて霞む程の大女でした。

全世界の大女に共通する事なのか?彼女も白い衣装を纏っていました。


「はてさて、異国の人よ。ワラワに何か御用かい?」

「あの~突然おじゃまして恐縮ではありますが、僕の事を見て、こう胸が熱くなるような、頭がボーとするような、子宮がうずくような感じ御座いませんか?」

「お主、初対面の相手に気は確かか?

極刑は免れぬぞ!そう言いきりたい所じゃが、ああ~確かに子宮が疼きだす。


熱い…熱い……

くる…くるぞ……

お主もう少し近くにこい……


そこでしゃがむんじゃ」


僕は、いきなりの出来事に言われるがままに、しゃんがみました。すると女王、突然、僕に向かってスカートをまくり上げたかと思うと


ブシュッー

ブシュブシュブシュー


僕の顔めがけて、凄い勢いで次々と産卵した卵を飛ばして来るんですよ。痛いだけならまだしも、ベトベトとして体液もぬるくて気持ち悪くて、居たたまれない気分になりました。


デカい女というだけでもかなりハードルが高いにのに、初体験からいきなりのハードスカトロプレイは、童貞の僕にはとても手に負えません。


なので、すぐに地下ダンジョンから脱出すると、第2プランの他国に行くことにしました。


幸い水と食料は逃げ出すときに、地下の貯蔵庫から迷惑料としてクスねてきたんで、当分の間、飲み食いの心配なく、前回のような失態は犯さないはずです。


荒野を幾日か歩くと、僕は世界の果てに尽きました。何をもって世界の果てと言っているかというと、透明なバリアーのようなモノがソコにはあり、それ以上前に進めません。何度も向こうに行こうとしているのだが、ドンドンと見えない壁に当たるだけで、どうにもなりません。いうなれば昔の8bitゲーム機のRPGのように、進みたくても、それ以上進めない状態でした……


この方向に進むことを諦めた僕は、そのまま見えない壁が何処まで続いているのかを調べに行きました。壁伝いに出口がないか入念に探索しながら進みましたが、僕は三日もしない内に元いた場所へと戻ってきてしまった……


何故だ、どうやったら、この世界から出られるんだ?


諦めきれない僕は、もう一周、さらにもう一周と何周も何周も、どうどう巡りをして、食料も尽きてもう限界です。


いったいこの世界はどうなっているんだ?

なぜ、こんなにも閉塞された空間なんだ?


死ぬ間際まで考え続けましたが、答えは出ません。


ですが、答えは思いもよらぬ方法で分かりました。


「ママ、ずっと外周部分にそって進んでいたアリ、弱ってきたのかピクピクして、そろそろ死にそうだよ」

「ああ、そうなの。じゃあ死んだらピンセットでつまんで、ゴミ箱に捨てておきなさい」

「は~い」


大きな声がした方をみると、透明なガラスケースの向こう側から、僕の事をじっと見て観察している少年がいました。

彼はままに命じられるがままに、僕をピンセットで摘まみ上げた。


薄れゆく意識の中、僕は今まで自分がいた場所が、大型のアリの観察キッドのなかだったと、やっと悟れた……




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