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殺人ブルドーザーのレビュー感想【B級と呼ぶにふさわしい名作】

 殺人ブルドーザーのレビュー感想【B級と呼ぶにふさわしい名作】



皆さんB級映画は好きですか?僕はハリウッドの大作なんかより、独自性ありまくりのパンチが効いたB級映画が大好きです!


本作は無人のブルドーザーが次々と人を襲って殺しにかかってくるお話で、無言で迫ってくる機械の恐怖と人間との対立が描かれています。


終盤のブルドーザーとパワーショベルの対決シーンは、スピード感こそないものの、そのシュールさと重機マニアには溜まらない演出が評価され、世界的にカルト的な人気があるそうです。


B級マニアにはグッとくる一本だったので、紹介も兼ねてレビューを書き連ねていきます。とうぜんストーリーに触れるのでネタバレ注意です!


簡単な概要

1974年製作のアメリカ産。洋題はKilldozerで、テレビ放映の特番として作成され劇場では未公開です。放送と同時に酷評の嵐で、すぐにB級の烙印を押されました。


その後、日本では1976年にお正月特番として、土曜映画劇場で放映するという暴挙を成し遂げます。以降はどういう経緯かは分かりませんが、様々なテレビ局でも放映されお茶の間を凍りつかせてきました。


国内外を問わず、低評価でカルト的な作品でしたが、時代が移り変わるとそのシュールなシチュエーションや、低予算ながら頑張っているところなどが評価され始め、今ではマニアの間では死霊の盆踊りレベルで抑えておきたい一本になりました。


激突のパクリじゃないの?



ダンプカーが執拗に追い回してくる映画『激突!』は、スピルバーグ監督の1971年の作品で、本作はその3年後に放映されました。

正直、これ激突!のパクリというかオマージュ系なんじゃないの?と思いましたが、激突!を手掛けたユニバーサル・テレビジョンが制作しているのでセーフなんでしょう。

迫りくる強大な無機物の恐怖と言う点は同じですが、ダンプと違いブルドーザーは人をひき殺すにもユックリとジワジワ迫り

ブボボボボボボ…

ってディーゼル音を響かせてゆっくりとにじり寄ってきます。

激突のようなスピード感はありません。
殺されそうな人は全力ダッシュで逃げればワンチャン助かったカモですが、延々と追いかけてくるので、色々とご都合主義な目にあい轢き殺されていきます。

強大な重機による圧倒的なパワーが売りなんですね。

ちなみに、車がヤンチャする作品なら『ザ・カー』の方が、スピーディーで激突!に近い感じです。



エイリアン物とか色んな要素をぶち込んでます‼

日本で放映されたて時に『殺人ブルドーザー』ではなく『落下イン石の謎/キルドーザー・孤島の殺人機械』という別のタイトルで放映された事がありました。

このタイトルの時点でかなりストーリーがネタバレしていますが、ざっくりと説明しますと
  • 大西洋の小さな孤島で働く男6人
  • ブルドーザーと隕石がごっつんこ
  • エイリアンにブルドーザーが乗っ取られて人を襲い始める
  • じょじょに人が殺されて
  • 生き残った2人はパワーショベルで決戦に挑む
  • そして衝撃のラストへ…
だいたい、こんな感じですが、設定だけなら色んな要素がぶち込まれています。この設定モリモリのマシマシなのが、高く評価されているポイントだと考えれます。

エイリアン物&SF物

原作小説を読んでないので分からない部分もありますが、作中でエイリアンについて明確に説明されていません。

だけど、ブルドーザーは乗っ取ったり、人類に敵意を見出しているので、知能があると推測されます。行動原理やどういったタイプのエイリアンなのかについて詳しくは語られないのでその点は残念です。

ジョジョの遠隔操作タイプのスタンドなのか、ラヴォスやジェノバのような外宇宙からの生命体なのか、正体がムッチャ気になります。

ホラー物

(C)1974 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.
画像出典: https://eiga.com/movie/92234/

たぶんこの映画はジャンル的にはホラーに分類されるています。
無言でブルドーザーに追い回されるのは、超ホラーですが、このホラーの感性は和ではなく洋ですね。

日本では物が襲ってくるのはエクステとか付喪神がルーツになるんでしょうが、そこは流石のアメリカ、ブルドーザーで行ってみようってノリになのでしょう。もしかしたら探したらトウモロコシを植える機械が襲ってくるホラー映画もあるカモ知れません。

クローズド・サークル物

ミステリーやホラーでは定番の設定です。絶海の孤島、雪で閉ざされたロッジなどシチュエーションは色々とありますが、本作は王道の絶海の孤島です。

ブルドーザーに追われたら島から逃げたらいいだけですから、でも、やらないのがこの男たち!熱い魂で戦いを挑みます!

男6人によるBL要素

本作の最大の魅力は6人の男性しか出演していない点です。ホラーにありがちなお色気シーンは一切なし、女の裸が見たい人はスペースバンパイアでも見てろって事なんでしょう。

ムサイ現場のオッサンたちが、どの層に需要があるのか分かりません。きっと時代を先取りし過ぎた、腐女子人気を狙ったBL要素でしょう。男性6人なので、もしかしたらおそ松くんへのオマージュかもしれません。

おすすめシーン



(C)1974 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.
画像出典:https://eiga.com/movie/92234/gallery/

誰しも言うオススメポイントは、終盤のブルドーザーVSパワーショベルの対決シーンです。鈍重な物同士のぶつかり合いは、巨大怪獣に繋がるものがあり男子の心を熱くさせる物があります。スピード感ゼロの重機による決闘シーンはシュールなので必見です。


操縦する男のハンドルや計器さばきが見事ですね。あの人は明日からダム開発現場だろうと、何処だろうと再就職に困る事はないでしょう。


もう一つ個人的にオススメなのは、海辺に墓が増えていくシーンですね。ブルドーザーに殺されるたびに墓が増えていくのは、ジワジワと主人公サイドが劣勢になっていき、和製ホラーに通ずるものがあり、グッとくるポイントでした。


まとめ:マニアには超オススメ

本作は今の時代にみると、確かに古臭い部分があります。ですが、その点を差し引いても、唯一無二の意味不明のシュールな異彩放っていて、完全にB級映画マニアにだけオススメできる作品です。


人生の時間は有限なので、カルト好きの人しか見ちゃダメです。

こんだけ止めても見たい特殊な人がもしいれば、幸いDVD化やブルーレイ化されたので、視聴しやすくなったのは有難いです。



それでは最後に、ジューキーズ工事中を聞きながら、第二、第三の殺人重機ホラー映画が登場する事を妄想して、心待ちしましょう。



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